マクロ競馬学
2007年度テーマ「勝つ習慣編」
1〜3月のコラム
内容一覧
馬券を買う原則となるシステムの大切さ
基礎を大切にするという学びの原則を忘れていないか
馬券を買う原則となる「システム」の大切さ
馬券はレースを観戦しながらあれこれ工夫しつつ買うのが楽しい・・・のですがそれで勝てるかというと別問題です
セブンイレブン派かファミリーマート派か
馬券を買うときにどんな「システム」を用いていますか?それぞれ、スピード指数を軸にするだとか、勝負気配重視など、ある程度のシステムをお持ちだと思います。いかなる商売も一定のシステムのもとに運営されています。
例えば「セブンイレブン」ではどの店に行ってもレジに行列ができると店員がすっ飛んできて待たされることがありません。これはシステムのひとつです。マニュアルと言ったほうが分かりやすいかもしれません。
では「ファミリーマート」には次のレジを開けるシステムがないのかと言えばそうではありません。しかしセブンイレブンよりも開くのに時間がかかることがあります。うちの近所ではセブンの方が遅い、という事例もあるかもしれません。ただ、仕事がら、100店単位で比較すると上のような傾向ははっきり出てきます。
これはファミリーマートのシステムが甘いことに原因があると思います。確かに「待たせない」というマニュアルはあるのだと思いますが、恐らく何人以上並んだらという明確なルールがなく、また並んでいることを発見するのに不可欠な「店員にお客が気になるように動機付けるシステム」がないように感じます。
システムはこういう方向でやろう!と言うあいまいなものでは上手く機能しません。
馬券も同様です。スピード指数重視、勝負気配重視。これらは立派な方針だと思います。しかしシステムではありません。具体的に投資レースをどう選定し、スピード指数をどのように用いて順位付けや、買い目の選定をするのか。金額や券種はどう決まるのか。すべてが整ってこそシステムとして機能してきます。確かにめんどうですし、そこまでやることはないだろうという気持ちも理解できます。しかし、ファミリーマートは「そこまでやらない」からこそ、店によって対応に大きな差が出て日々の「同質性」が保たれていないという結果につながっています。これは収益の数字にも直結しています。セブンイレブンの1店舗の平均売り上げは66万、ファミリーマートは47万程度です(2002年)。
馬券も同様です。アバウトなシステムで運用している限り、その日、その日で方針が違ってくるわけです。同じ方針で主旨貫徹しているつもりでいても、負けがこんでくるとやや穴目に目が行ったり、気分によっては本命サイドの複勝で勝負したりブレが生じてきます。穴目を買った日に、指数どおりの本命が圧勝。本命サイドで勝負した日には、4着。これはよくある現象です。それが
さらに心理的に影響を残します。
日によって同じなのは題目だけで、全く違ったシステムで運営しているということはよくあります。
システムという原則を作り上げて得られるメリット
システムを作るのはめんどうかもしれませんが、そのメリットは相当なものです。
まず第1に、毎回微妙に方針が異なる状態に比べ、その方法論に対する結果が短期的にはっきりしてくるので、馬券ゲームに対する能力が上がりやすい環境が整います。毎回アバウトな仕組みで馬券を買っていてはどこをどう直せば成果が上がるのか考える素材がないということです。
馬券ゲームは非常に複雑で、大雑把なやり方で修正や見直しが可能なものではありません。
第2に精神的に安定して馬券ゲームに臨めるというメリットがあります。馬券はお金がからんできますので、的中しても不的中でも精神的に大きな影響を受けます。土曜、最終レースが終わった後にウインズや競馬場の帰り道を観察してみてください。統計上ほとんどの人が1日の収支はマイナスです。どんなに落ち込んでいるかすぐに伝わってくると思います。彼らは帰宅後日曜競馬の検討に入ります。そのときに、その心理が影響しないはずがありません。土曜の負けを取り戻すために穴目を、土曜に自分の予想が上手くいかなかったことを反省して修正を・・・。日曜競馬を土曜と同じ道具で戦える人はまずいません。
例えば釣り師が毎日釣竿や仕掛けを変えてつりをしており、「なかなか釣れないな」と嘆いていたらどう思われますか。明らかに「しばらく同じ釣り竿と仕掛けを使ってみればどうですか」とアドバイスしますよね。馬券でシステムを決めると言うことは毎回同じ釣り竿と仕掛けを使うということです。そうすればその釣り竿で大きな魚が釣れればシステムに対して(決して自分に対してではありません!) 自信がついてきます。1ヶ月間のスパンで成果が出ればなおさら自信がついてきます。
海に荒天があるように、競馬もある意味水物で、傾向ががらりと変わってしまう日があります。そんな日であっても自信のある釣り竿を使っていれば、すぐに晴れた日に成果を挙げたことが自信をもって思い出されます。だから急に仕掛けを変え、釣り場を変えることはありえません。その流れでいけば、また翌週大きな獲物が釣れる筈です。
つまり、システムがしっかりしていればある日に馬券の不的中が続いても動じることなく冷静に投資を続けられます。もし1ヶ月単位で不都合が出れば修正すればいいだけです。半年もすると大変性能のよいシステムが出来上がってきます。この間、システムがない人は毎回スタンスを変えながら右往左往し続け、検証しようにも「どの日にどんな買い方をしたのか分からないため、修正のしようがない」という「柔らい永久スパイラル」に巻き込まれています。
濃密手帳
若干話が発展しますが「濃密手帳」というものをご存知でしょうか。いまの中高生など若い世代に流行っている現象なのですが、手帳にその日ごとに何がありどう感じたかを異常に小さい時で書き込む現象です。この原因には若い世代が自分の性格について言葉で説明することをしなくなったことが挙げられるそうです。言葉で自分の行き方ややり方を説明できないということは、毎日日替わりの自分がいるわけですので、過去の自分、現在の自分、未来の自分に確信が持てず、生きているのかわからない心理になってしまい、手帳に細かな感情や感覚を記録することでバランスを保つ現象のようです。
システムを言葉で説明しきれない競馬ファンも同じような迷いがあるのだと思います。
システムがない以上、自分が勝ったときのことは思い出せても、それが今日の自分と同一なのか確信が持てず、結局自分を信じられなくなりその場その場で買い方を変えてしまうわけです。
まとめ
・システムを強固に作れば、欠点が発見しやすく修正が効く。
・システムを強固に作れば、短期間で勝てる技術が身につく。
・システムを強固に作れば、精神的に安定し冷静に検証ができる。
参考文献
フランチャイズ・ショー&ビジネスエキスポウエブサイト
http://www.shopbiz.jp/contents/FC20020418/182_001.phtml
「個性」を煽られる子どもたち 親密圏の変容を考える/岩波ブックレット/土井 隆義著
基礎を大切にするという学びの原則を忘れていないか
子供に「分数の計算ができないの」と言われたらどうしますか?勘のいい人 だったら「九九はできるのか?」と聞くかも知れません。九九が出来ないのに
分数の掛け算や割り算ができるはずがありません。
学びは基礎からという当たりまえのテーマですが、競馬になると忘れてしまう人が多い気がします。
複勝馬券というのは3着に入る3頭の内1頭を説明できれば良い馬券です。 他の2頭について説明できる必要性はありません。だからこそ、理論の基礎を
築くのに適した馬券です。また、偶然の高配当という事例が少ないことから、 早期にその理論の不的確さが判明し軌道修正しやすい部分も特徴となります。
逆に3連単の場合、始めた当初に偶然に10万程度の馬券が的中してしまうと、その理論が誤りであっても気づくのに半年くらいかかることがあります。例えば初めてモノを売る人がいきなりデパートを始めてしまうのが3連単だ
と思います。「たまたま置いていた商品がバカ売れして」という現象があるのですが、何ががなぜ売れたのかを把握していないため、ブームが去れば赤字になっていきます。3連単で買う場合の多くは、競馬のどの現象をとらえて、どういう理論でどの馬を買うと回収率にどう貢献しているかが分からないため、安定した再現は不可能といえます。
まず米屋から始めてみるという発想があります。「マンションから電話 で注文してくるお客さんには無洗米が売れる」など細かいことが分かるので、 商売の実力がついてきます。米屋にとっては「ケーキ」「カバン」「紳士服」
などについては説明できなくても良いわけですから、たまたまの大儲けはなく ても、着実に商売を広げていくことができます。 当然の事実ですが、デパートの創業者は呉服屋などもともとは専門店でした。
馬券の場合は大きな資本が不要なため、誰でも3連単を買えますが、3連単は あくまで検証と実績を重ねたあとに来るものです。
そもそも複穴を的中できず して3連単の的中はないといえます。3頭に1頭の入着馬を説明できないのに、 1着、2着、3着にそれぞれ固有の馬を説明できるはずがありません。商売、
投資、競馬のいずれも「学問」に通じるものがあります。つまり基本を積み重ねていって始めて発展していくものだということです。
とはいえ3連単はときどき配当が加速度的につくことがあり、投資としては狙ってゆくべき要素があると思います。ただ複勝から始めていつかたどりつく場所だと思っています。最近の30レースくらいを研究して、複勝の傾向を探るのは確率的に「有り」
ですが、3連単の傾向を探ることは「有り」でなく「無理」です。30レース のなかにはたまたま特定のパターンで10万馬券が出ているかもしれません。
しかしそれは次の1970レースで出現しない可能性もあるわけです。
特定のレース群から予想理論を作ると「予想理論の最適化」という現象が起き、そのレース群を都合よく説明する理論ができてしまいがちです。そのためには複勝ですら本来100単位の分母は必要だと思います(数学的根拠はなく実感です)。
組み合わせ数から考えれば3連単では千単位とか万単位の研究が必要になると 思います。犬小屋すら満足に組み立てられないのに、ビルが建つわけはありま
せん。 その意味で、複勝の次に挑戦してみるべき馬券は「単勝」か「ワイド」でしょ う。単勝は3着までに来る馬のなかで、1着になる可能性が高い場合を説明すればいいわけですし、ワイドはもう1頭3着までに来る可能性の高い馬を説明できればいいわけです。