マクロ競馬学
2006年度テーマ「企業JRAが分かれば投資になる」
オッズを作る予想業界の仕組みを知る
競馬は勝ち馬を当てるというよりも、他の人が買わない馬券を的中させ利益を出すゲームです。したがって人気を作る予想業界の動きを知っていなければマクロに競馬を見ることはできません。
内容一覧
競馬予想会社の広報を知る
競馬予想会社の広報を知る
オッズを作るのはあくまで専門紙、スポーツ紙です。
しかしここでは気軽な話題として予想会社の性格を考えてみます。
※今回の寺小屋は2006年始競馬の3日連続開催の初日、ガーネットステークスの前日です。
ある山の中の競馬塾にて。
先生1人、生徒3人の寺小屋である。
先生:昨日の1月27日の京都競馬。2つの予想会社の買い目が手に入った。
どう思う?
A社:
1月27日
1〜5R 5連覇。すべて馬単的中!
こぶし賞では3連単4550円を的中!!
このほか馬単2790円など続々的中!
B社:
1月27日
10R 単勝1点 不的中
11R 馬連2点 不的中
男子生徒(23歳):断然A社だね。
比べるまでもないじゃん。
女子生徒(20歳):中穴が当たってるし、5連覇もすごい!
先生:お前らホントに頭悪いなあ。
お前らみたいのがすぐ小泉(首相=当時)改革とかすぐにのせられて片方に流されるんだよ。
A社のほうは何点買いか恣意的に書いてないだろう?
もし馬単を10点買ったとしても買い目は120点。
学級委員(28歳男性):昨日の京都の馬単配当です。
こぶし賞は3連単しか的中と書いてありませんが好意的に当たったと解釈します。
京都1R 馬単660円
京都2R 馬単760円
京都3R 馬単1240円
京都4R 馬単1680円
京都5R 馬単530円
京都7R 馬単2790円
こぶし賞 馬単1240円
先生:買い目の合計金額と配当を計算してみろ。
男子生徒:買ったのは100円の10買いを12レースで合計12000円。
女子生徒:払い戻しは全部足すと8900円。
あれ?損してた。
先生:A社の結果報告はめちゃめちゃだ。
どのレースを買ったのか。
何点ずつか。
馬券の種類は?
何も書いていない。これを詐欺師という。
3連単に至ってはなぜこぶしSだけ書いてあるのか?
あほらしくてコメントも
する気にならない。
学級委員:仮に軸1頭頭固定6点流しと好意的に考えても30点。
後半6レースで3連単を買ったとして180点。
4550円的中ですが、18000円投資でマイナスですね…
女子生徒:でもB社は回収ゼロでしょ。
A社のほうがまだましなんじゃないかなあ。
先生:A社は300点買って回収率半分以下。
B社はまだ3点目だ。
サイコロに例えればA社は300回振って、6が何回も出たと声高に自慢しているのと同じだ。
B社は3回(買い目点数3点)ふって6が出なかっただけだ。
まだどうなるかわからん。
男子生徒:4ケタ配当とか3連単とか特別戦的中とか。
おれらがそういう言葉にすぐにだまされていたわけだね…
学級委員:競馬予想において点数を絞るのは悪いことではないと思います。
ただ広報を考えると、点数を広げたほうが「4ケタ」「万馬券」「重賞」「的中」「特別」というキーワードを乱用して訴えやすい。
先生:株の世界だとだいたい投資条件と投資額、収益など明記してある。
競馬ファンは頭が悪いから、「配当」の羅列でだまされている。
このままではまともに情報公開する者が割を食い、競馬ファンをだまそうとする連中の思う壺だ。
男子生徒:競馬ファンってなんでバカなのかなあ。
先生:…分からない。
ただ競馬雑誌の広告を見れば「回収率1000%」といったまともに買っていればすぐに国家予算になる成績のオンパレードだ。
あるいは今説明した配当しかのせない手法のどちらかだ。
学級委員:なぜ警察は取り締まらないのでしょう?
先生:株式の場合商法に予定された経済行為だから、嘘の表示は取締りの対象となる。
だが、競馬は国民的総意として投資でなく趣味と見られている。
趣味だから、遊びだから誇大表示は取り締まられていない。
しかも被害者は遊びだからと訴えない。
女子生徒:競馬雑誌も無責任だよね。
広告ならなんでも載せていいのかな?
先生:雑誌の運営上広告費は大きい。
1番売れている「競馬最強の法則」は、出会い系を扱っていないだけほかより上だ。
もし、いかがわしい広告を載せなくなったら雑誌代は倍になる。
男子生徒:いまだって競馬雑誌は高いのに倍は困るね。
インチキ会社の広告は見て楽しんで相手にしなければおれらの雑誌代も安く済むってわけだね。
学級委員:そいうえばああいう広告の「儲かりました」という体験談。
たいていバイトだけど、中国の人の写真を勝手に使うことも多いそうです。
日本人と顔が似ていて、しかも雑誌は買わないからばれっこない。
先生:知らないかも知れないが、雑誌に乗っている予想会社には系列がありバックに////がついて////
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何者かの妨害で授業を中継できなくなりました・・・
まとめ
・予想は買い目を事前にごまかせない手段で公表し、常に年間の回収率が明示してある場合のみ信用できる。
・配当の羅列に注意。買うレースや買う馬券の種類が多ければ高配当は誰でも当たる。
競馬新聞の印の裏側
いよいよ本論である予想紙の動きについて考えます。
ある山の中の競馬塾にて。
先生1人、生徒3人の寺小屋である。
先生:競馬新聞の記者についてどう思う?
男子生徒(23歳):本命ばっかりでぜんぜんだめだね。
固いのしか当たらないしね。
女子生徒(20歳):参考にはするけど決めるのは自分かな。
先生:お前らと新聞記者が予想勝負したらどうなる?
男子生徒:時の運もあるけど簡単には負けないよ!
先生:ばかいうな。100%負ける。きちんと実力が出るようなルールなら絶対だ。
男子生徒:いつもおれにばかばかいうな!
学級委員(28歳男性):新聞記者は枠順も出ないうちに予想を決めて、枠順が出たら5分か10分で印を打っていると聞きます。
しかも12レース、調教取材のないデスクの人は24レース打つこともあるそうです。
先生:それで回収率70%から90%、調子のいい時には100%を超えるのだから化け物だ。
素人がこの条件でやれば回収率は絶対に60%くらいになる。
だいたい枠順を見て、何時間もデータをにらんで絞りに絞って予想しても結構外れるんだから試すまでもない。
学級委員:記者もピンきりで回収率100%付近をマークできるトップクラスからとても公表できないレベルまでいろいろいるようですね。
先生:競馬新聞の本紙や予想欄の一番上に印を打つ記者は相当な実力を持っている。
おそらくレースを絞れば回収率は90%を確実に超えてくるレベルの人が多い。
男子生徒:じゃあ、記者の予想をもっと参考にすればいいのか?
先生:そうすると回収率は75%になる。なぜか分かるか?
女子生徒:はて。
先生:実はオッズは90%以上競馬新聞の印で決まってくる。
みな、印は参考にしてあくまで自分の眼で決めていると錯覚しているが、印は潜在意識に強い影響を残している。
男子生徒:おれはちがうもんね。自己流じゃけん。
先生:仮に自己流と認めたとしても、次のように買う奴が多い。
大本線 12倍 1000円
本線1 8倍 1000円
本線2 15倍 700円
押さえ 3倍 2000円
押さえ 20倍 300円
これは結局、印どおりにお金を入れているだけだ。
結局本紙◎○が絡む馬券に高い金額を張っている。
男子生徒:うーん。なら自分の予想を均等買いすれば、おれ流だ。
先生:ちがうな。印は見たとたんに意識に刷り込まれる。
「思い切って無印を軸馬に抜擢!」というよくある思い切り方があるが、これは普段から印に著しく左右されている裏返しだ。
女子生徒:たしかに無印はドキるし、印が多いと一安心だね。
先生:結局90%のファンが印で買うわけだから、印に従って買うと控除率どおり75%回収「できる」可能性が高い。
学級委員:そうすると印ははじめから塗りつぶしたほうがいいんでしょうかねえ。
先生:しかし、見識ある人の印は的確だから参考にすべきだ。
学級委員:・・・どぎゃんすればよかとですか?
先生:めずらしくボケたな。小倉滞在か?
まず専門家の印の打ち方に癖や抜けている要素があるかチェックしたい。
それがあればそのゆがみを突いて期待値の高い馬券を組めるからだ。
学級委員:おそらくスピード指数や枠順、馬場状態はノーチェックなのでは?
先生:そうだといいんだが予想紙も社運がかかっているからやるべきことはやっている。
ほとんどの社にスピード指数のデータがあることは知る人ぞ知るだし、馬場状態も騎手への取材やら天気予報でかなりの精度で読んできている。
枠順も恐らく極端に影響が出るコースは整理できているはずだ。
男子生徒:そうすると晴れ予報で雨が降ったときなんかはチャンスかな?
先生:そうでもないだろう。
急な天候の変化は騎手も馬場読みが混乱する。
その混乱の結果を予想できるということは騎手が複数の人間である以上ありえない。
女子生徒:何か盲点みたいのがあるといいんだけど・・・
先生:しいて言えばブランドに弱いことくらいかな。
厩舎の中にいるからどうしても馬の評判は何度も耳にする。
評判馬に重い印を打ちやすい。
あとは時間がないからなのか迷うと上位騎手に重い印を打つ人が多いのは確かだ。
学級委員:そうすると能力が高い馬に地味な騎手が乗った場合とか、ブランド馬が出走するレースの隠れた能力馬を狙うというのが可能ですね。
先生:そうだ。
あと記者の予想で致命的に足らないのは、人気を加味して印を打っていないことだ。
男子生徒:人気を作るのが記者なのだから、作ってるときに人気がわからないのは当然だね。
先生:レースでは断然1番人気になれば、その馬が来ないように他の騎手はレースを組んでくる。
仮に実力は横並びなのに、印が集まれば高い確率で沈む。
また上位人気が3、4倍で何頭もいるようなレース。
こういうレースでは例え僅差でも1番人気なら当面の目標になるし、騎手も勝ちを意識して乗るから結構な割合で消える。
学級委員:例えば実力が拮抗したレースで1番人気になった先行馬の評価を下げるなどの作戦が考えられますね。
先生:他にも専門紙の癖はいろいろある。各自考えてほしい。
繰り返すが人気は90%印で決まる。
しかし印は素人の100倍正しい。
一方で専門家の盲点を探し出せば投資法となる。
実はスピード指数は、昔は印を打つ人間が軽視している重要点だった。
だからこそ指数だけで穴馬券が面白いほど獲れた。
今、指数は競馬記者のノウハウに組み込まれ意味がなくなった。
学級委員:スピード指数は重要ですがそれだけで勝てる要素とはならなくなっているということですね。
先生:結局のところ、業界紙の予想は「本紙予想を何紙分か見れば当日の人気が予想できる」というところの最大の意義があるという結論に行き着くと思う。
こういう結論になる前提には「競馬はレースである」という意味を深く理解している必要がある。
女子生徒:zzz・・・
まとめ
・予想誌の本紙予想は素人の100倍正しい。
・それでも不的中が多いのは競馬場やレースの設計に能力順に入線しないような仕組みがあるからである。
・競馬は「レース」であるから人気順を推し量ることは非常に大切。